B型肝炎の原因は何?

吐き気があってだるい、黄疸が出た、などの症状で病院に行ったらB型肝炎と診断された方や、健康診断の血液検査でB型肝炎に関する項目が陽性だった方など、急にB型肝炎と言われてびっくりしている方へ、B型肝炎の原因について解説します。

1. 原因はウイルス

B型肝炎の原因はウイルス感染です。B型肝炎ウイルスというウイルスに感染することによって発症する肝炎です。ウイルスが原因の肝炎をウイルス性肝炎といい、肝炎の原因となるウイルスには他にもC型肝炎ウイルスがあります。C型肝炎ウイルスに感染して引き起こされる肝炎は、C型肝炎といいます。

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染し、肝臓の細胞に入り込みます。そして感染した肝細胞を利用してウイルス自身の増殖を行ないます。ウィルスに対し身体の免疫が反応しますが、ウィルスそのものではなく、感染した肝細胞もろとも攻撃します。攻撃された肝細胞は炎症を起こしてしまいますが、この状態になってしまうのがB型肝炎です。

2. 持続感染と一過性感染

B型肝炎ウイルスへの感染状態には二通りあります。

一つは、持続感染と言って、ウイルスが身体の奥深くまで入り込んで、完全に排除することができなくなった状態です。肝炎を発症していないときでも身体の中にはウイルスが残っており、他の人への感染力もあります。これを無症候性キャリアといいます。
持続感染は、一般的には幼少期の免疫が未成熟なときにB型肝炎ウイルスが身体に入ることによって起こります。まだ免疫がウイルスを異物として認識できないため、ウイルスに深い侵入を許してしまうのです。
ただし、成人してからは絶対に持続感染しないというわけではありません。B型肝炎ウイルスにもいろいろなタイプがあり、ジェノタイプAeというタイプのB型肝炎ウイルスは、成人後の感染でも持続感染を引き起こすことがあります。

もう一つの感染状態は、一過性感染です。これは、成人後にB型肝炎ウイルスに接触して一時的には感染したものの、その後にウイルスを身体から排除できた場合です。肝炎の症状は出ないこともあれば出ることもありますが、ウイルスの排除とともに肝炎も終息します。

3. 怖いのは持続感染

持続感染と一過性感染を比較すると、厄介なのは持続感染だと言えるでしょう。

一度、持続感染の状態になってしまうと、ウィルスは体の中に残り続けていますので、肝炎の症状が治まってもいつかまた発症するというリスクを抱え続けることになります。その上、B型肝炎は進行性の病気なので放置すると肝硬変、肝がんへと進行してしまいます。
また、症状が出ていないときでも他人に感染するため、家族などへの感染予防に気をつけなければなりません。幼少期に持続感染して発症していなければ、自分でも感染していることに気づいていないというケースもたくさんあります。
ただ、持続感染したまま生涯発症しない人も多いため、定期検査などでしっかり管理していれば、日常生活に大きな影響もなく過ごすこともできます。

一過性感染は、症状が出ないまま治癒しているというケースも多いです。症状が出た場合は急性肝炎となり、数週間で回復に向かいます。治った後は強い免疫ができるので、治ってしまえば問題ないと言えます。
ただ、まれに急性肝炎から劇症肝炎に進行することがあり、死亡するケースもあるので軽く考えることはできません。

4. 持続感染の感染原因

B型肝炎ウイルスに持続感染する原因として主なものを説明していきます。

かつては、持続感染の最大の感染原因は母子感染でした。出産時に起こる母親から子供への感染です。母親がB型肝炎ウイルスに感染していた場合、子供が産道を通り抜ける際に微細な傷ができ、母親の血液と接触することで子供に感染します。母子感染は高確率で子供にも感染してしまいますが、現在では出産後に母子感染防止の処置が行われるようになったため、ほとんど防げるようになりました。
母子感染防止処置は、妊婦検診で母親が感染していないかチェックして、感染している母親の出産後には子供に対してB型肝炎のワクチンやB型肝炎ウイルスへの抗体を含んだ血液製剤を投与することで、持続感染する前にウイルスを排除するというものです。
昭和61年から母子感染防止事業として全国的に実施されるようになったため、現在B型肝炎ウイルスに持続感染している人で昭和60年以前に生まれた人は母子感染でB型肝炎ウイルスに持続感染した可能性があります。

もう一つの大きな感染原因として、集団予防接種での注射器の使い回しがあります。集団予防接種の実施方法が細かく指導されていなかった頃、注射器を使い回すことでB型肝炎ウイルス感染が起こっていました。そして、幼少期に集団予防接種を受けたことで持続感染してしまった人が全国に存在し、推定45万人いると言われています。
集団予防接種の方法については、昭和63年に国の指導が行なわれ、現在では安全なものになっています。昭和63年より前に生まれた人には、集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。

上記二つが、現在のB型肝炎ウイルス感染者の感染原因の大部分を占めると言われています。そのため、昭和63年以降に生まれた人は幼少期にB型肝炎ウイルスに感染することはほとんどなくなっています。

成人後に持続感染を起こす、ジェノタイプAeという型のB型肝炎ウイルスは、以前には日本には存在しないとされていましたが、平成8年以降に感染したケースが確認されて、その後増加していると報告されています。このタイプのウイルスは、一過性感染と同様の感染原因でも持続感染する可能性があるので、注意が必要です。

5. 一過性感染の感染原因

B型肝炎ウイルスへの一過性感染は、成人後の血液や体液の接触が主な感染原因です。

医療現場での針刺し事故や、B型肝炎ウイルスを含んだ血液による輸血による感染もありましたが、医療環境の整備により、今ではほとんど起こらなくなっています。

現在、成人後の感染の主な原因となっているのは、性交渉、ピアスやタトゥーなどの器具の消毒不足、麻薬などの注射器の使い回しなどです。特に近年、性交渉による感染が増加していると指摘されており、特に若い世代の感染リスクが懸念されています。

6. 国の責任による持続感染者

幼少期の集団予防接種による持続感染については、国の指導不足が原因であり、国も責任を認めています。そのため、国からの損害賠償や見舞金という趣旨のお金が支払われます。このお金をB型肝炎給付金と言います。
給付金の金額は、最大3600万円で病態や発症時期により細かく定められています。

B型肝炎給付金の対象となる条件は、以下のとおりです。

  • B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること
  • 集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと
  • ⺟⼦感染でないこと
  • その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

集団予防接種によって感染したことを直接証明するのはほぼ不可能なため、状況証拠的な条件になっています。条件ごとの認定も被害者への配慮から、積極的な証明を必要としないものもあります。

また、給付金対象となった人から母子感染などで感染した二次感染者も給付対象となっています。

B型肝炎給付金を請求するには、訴訟などの専門的な知識が必要な手続きを必要とするため、弁護士へ依頼するのが普通です。特殊な手続きなので、全ての弁護士がB型肝炎給付金の請求を取り扱っているわけではありませんが、ノウハウをもっている弁護士に相談すれば、安心して任せることができます。

7. まとめ

B型肝炎の原因として、ウイルス感染について解説しました。

感染の心当たりがないという人は、幼少期の集団予防接種で感染していた可能性もあります。一度弁護士に相談してみてください。

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