彼氏や彼女がB型肝炎だったときの注意点と確認すべきこと

付き合っている彼氏や彼女から、B型肝炎であることを告げられた方に向けて、注意することや確認しておくべきことをご説明します。
動揺している人も、よく分からないという人も、正しい知識をもつことが大切です。
病気をきちんと理解して、避けるべきリスクを避ければ、必要以上に不安になることはありません。

彼氏や彼女がB型肝炎だったら

1. B型肝炎とは?

B型肝炎というのは、ウイルス性の肝臓疾患です。B型肝炎ウイルスというウイルスに感染することで、肝炎、肝硬変、肝がんなどを引き起こす病気です。

感染の状態には持続感染と一過性感染の2種類があります。
お母様がB型肝炎だった場合、生まれるときにお母様からうつったり、なんらかの原因で幼少期に感染すると、ウイルスがずっと身体に残ることになってしまう状態になります。これを持続感染といいます。
持続感染の場合、感染していても症状が出ない状態が続くこともあります。この状態を無症候性キャリアといいます。
成長してから感染した場合、一時的に急性肝炎を発症することがありますが、治った後は免疫ができます。またそもそも肝炎の症状が出ないこともあります。これを一過性感染といいます。
しかし、最近では成人後の感染でも持続感染を引き起こすタイプのB型肝炎ウイルスが増加してきているので、大人になってから感染したからといって、一過性感染ですむとも限らないため、注意が必要です。

2. 彼氏や彼女からB型肝炎と告げられた状況は?

彼氏や彼女からB型肝炎であることを告げられた状況、タイミングはどういったものでしたでしょうか?

最近初めて判明したのであれば、本人はあなた以上に動揺していると考えられます。以前から持続感染していたとすると、知らないうちにあなたに感染させてしまったかもしれないという罪の意識をもっているかもしれません。検査や医師の診断で正確な状況を確認した上で、じっくり話し合いましょう。

以前から感染の事実を知っていたのに打ち明けられなかったという場合もあるでしょう。
実はB型肝炎ウイルスの感染の仕組みが解明されたのは割と最近のことで、感染経路がはっきりしない時代にはB型肝炎ウイルス感染者を隔離したり排斥したりするような人も多く、今でも差別や偏見が残っています。そういった辛い経験をしてきた人が、自分からB型肝炎であることを告白するのにどれだけ大きな勇気を出したかということは理解してあげてください。
ただし、B型肝炎ウイルスに感染していることを知っていながら性的接触をもつなど、感染させる可能性を自覚していたにも関わらず、感染リスクのある行為に及んでいたとしたら、パートナーとして問題ありと言えます。相手の言い分もあるかもしれませんが、今後の付き合いをどうするかを含めて考えた方がいいかもしれません。

2. 彼氏や彼女のB型肝炎の状態の確認

彼氏や彼女のB型肝炎の状態の確認

あなたの彼氏や彼女がB型肝炎だった場合、まずはB型肝炎だという彼氏または彼女の肝疾患の状態や感染の状態を確認しましょう。感染の状態とは、すなわち持続感染なのか一過性感染なのかという点です。

現時点で肝炎などを発症していて病院で治療しているなら、病状は当然ですが、持続感染なのか一過性感染なのかということも医師から説明されているでしょうから、詳しい状況を教えてもらいましょう。
もし、発症していて病院に行ってないなら、すぐに病院に行くよう促してください。ウイルス性肝炎は進行性の病気なので、放っておくとどんどん悪くなる危険があります。

今は発症していない場合、持続感染なのか、過去に一過性感染して治癒しているのかが問題になります。持続感染なら症状がなくても感染力が強くなっている場合もあるので、検査して確認してもらいましょう。

3. B型肝炎が自分に感染していないか確認

彼氏または彼女からB型肝炎ウイルスが自分にうつっていないかも確認しておくべきです。

B型肝炎ウイルスは血液や体液の接触によって感染するため、性行為や怪我の手当などで血液に触れたことがあると、感染している可能性は高まります。また、彼氏・彼女の体内のB型肝炎ウイルスが感染力の強い状態であれば、感染リスクもそれだけ高くなります。

B型肝炎ウイルスがうつっているかどうかは、血液検査で調べることができます。
住んでいる自治体が無料検査を実施していれば、それを利用することで費用をかけずに検査することができます。ただし、感染している可能性が濃厚な状況であれば、病院で検査を受けて少しでも早く必要な治療を開始した方がいいでしょう。

血液検査の結果、自分もB型肝炎に感染していたら、まずは急性肝炎の心配がないか医師の診断を受けましょう。また、持続感染になっていないか、経過を見ていく必要があります。
自分の身体のことだけではなく、自分の家族など、他の人への感染防止にも気をつけなければなりません。

4. B型肝炎の感染防止

検査をしてみて自分は感染していなかった場合、今後付き合いを続けていく上で感染防止をどうするか考える必要があります。

B型肝炎ウイルスは血液や体液の接触で感染するので、プラトニックなつきあいであれば感染経路となりそうなところに気をつけていればあまり問題はありません。歯ブラシやカミソリなどの共用は避け、血液には触れないようにし注意すれば良いでしょう。

性交渉をもつ場合、コンドームなどの避妊具によって感染する確率を下げることは可能ですが、確実に感染防止できるとは言えません。ワクチン接種によって抗体を作っておくのが望ましいでしょう。ワクチンは3回程度の接種が必要で、間隔をあけて接種するので半年はかかります。病院で検査をするときにB型肝炎ワクチンについても医師に相談しておくといいでしょう。

6. B型肝炎給付金制度の利用

彼氏や彼女のB型肝炎が持続感染であった場合、感染源の1つとして考えられるのが、幼少期の集団予防接種による感染です。昭和63年初頭まで集団予防接種での注射器の使い回しが放置されていたため、予防接種を受けたときにB型肝炎ウイルスに感染してしまった人が約45万人いると言われています。国がその責任を認めていて、集団予防接種による感染者には給付金が支払われます。

給付金は病態によって以下のように金額が決められています。

病態除斥期間20年の経過給付金額
死亡、肝がん、重度肝硬変
経過前
3600万円
死亡、肝がん、重度肝硬変
経過後
900万円
軽度肝硬変経過前2500万円
軽度肝硬変経過後、治療中
600万円
軽度肝硬変経過後、治癒済み
300万円
慢性肝炎経過前
1250万円
慢性肝炎経過後、治療中300万円
慢性肝炎経過後、治癒済み150万円
無症候性キャリア経過前
600万円
無症候性キャリア経過後
50万円

今後、検査や治療にお金がかかってくる可能性があるため、給付金の対象であれば請求して金銭的負担を減らしましょう。

7. まとめ

つきあっている彼氏や彼女がB型肝炎だったときに知っておくべきことを解説してきました。
人それぞれ事情が違うので、全ての人にこのまま当てはまるものではないと思いますが、大切な人との問題を乗り越える一助となれば幸いです。

よく分からないまま話し合っても前向きな結論にはたどり着けません。正しい知識と正確な状況を知ることが何より大事なので、検査と医師への相談は後回しにしないでください。

また、定期検査や治療を続けていくにはお金がかかります。B型肝炎給付金などの制度を賢く使ってください。B型肝炎給付金の初回相談は無料という弁護士が多いので、こちらも後回しにせず一度相談してみてください。

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