B型肝炎だけじゃない C型肝炎訴訟の給付金について

C型肝炎の給付金とは、出産や手術での大量出血などの際に、フィブリノゲン製剤や血液凝固第9因子製剤を投与されたことによってC型肝炎ウイルスに感染した方に、国から給付金という名目で支給されるお金です。
給付金を受け取るには、国に対して訴訟を起こす必要があります。この訴訟をC型肝炎訴訟といいます。訴訟の中で国と和解することで、最大4000万円の給付金を受け取ることができます。手続きには期限があり、2023年1月16日までに訴訟を起こさなければなりません。

1. 血液製剤によるC型肝炎ウイルス感染

C型肝炎とは、ウイルス性肝炎の一種でC型肝炎ウイルスに感染することで起きる肝臓の病気です。このウイルスは血液から感染します。消毒が不十分な注射器や針、ピアスの器具などが感染経路となります。
また、以前はC型肝炎などのウイルスについて解明されていなかったため、輸血用の血液に含まれるウイルスからの感染も頻繁に起こっていました。

血液からのウイルス感染について解明されるとともに、輸血用血液の安全性を検査したり、ウイルスの感染力を失わせる処理をするようになっていきました。
しかし、血液の成分の一部を取り出した血液製剤の中には、ウイルスの感染力を失わせる処理が不充分なまま使われ続けていたものがあります。特定のフィブリノゲン製剤や特定の血液凝固第9因子製剤です。

現在ではこれらの血液製剤の安全性も確保されていますが、当時は処理技術の不完全さや危険性の判断が不適切だったことから、危険な血液製剤が医療現場に出回ることになり、投与された人は高い確率でC型肝炎ウイルスに感染してしまいました。

2. C型肝炎訴訟とは

こういった危険な血液製剤によってC型肝炎ウイルスに感染した人達が、国と製薬会社を相手に訴訟を起こしました。この訴訟は、C型肝炎訴訟とも薬害肝炎訴訟とも呼ばれています。薬害エイズ事件が大きなニュースになっていたのをご存じの方は多いかと思いますが、それと同じ構図の問題です。

C型肝炎訴訟が全国各地で起こった結果、現在では国が責任を認めて新たな法律を作り、特定の危険な血液製剤によってC型肝炎ウイルスに感染した人へ給付金を支給することになりました。この給付金を、C型肝炎給付金といいます。

3. 給付金の対象者

C型肝炎給付金の対象となるには、以下の条件を満たす必要があります。

① 特定のフィブリノゲン製剤・特定の血液凝固第9因子製剤を投与されたこと。

    給付金の支給の対象となる製剤の一覧

 製剤名製造承認日/輸入販売承認日
特定フィブリノゲン製剤
フィブリノーゲン-BBank1964年6月9日
フィブリノーゲン-ミドリ1964年10月24日
フィブリノゲン-ミドリ1976年4月30日
フィブリノゲンHT-ミドリ(※)1987年4月30日
特定血液凝固第9因子製剤PPSB-ニチヤク1972年4月22日
コーナイン1972年4月22日
クリスマシン1976年12月27日
クリスマシン-HT(※)1985年12月17日

  ※「フィブリノゲンHT-ミドリ」「クリスマシン-HT」については、ウイルスを不活性化するために加熱処理のみを行ったものに限られます。

② 妊娠中や出産時の大量出血、手術での大量出血、新生児出血症などの際に①の投与を受けたこと。

  手術での腱・骨折片などの接着の際に、フィブリン糊として投与された場合も対象になります。

③ ①の投与によって、C型肝炎ウイルスに感染したこと。

  既に治癒した人、感染した人から母子感染した人、感染した人が死亡した場合の相続人も対象になります。

④ ①②③に該当することが、裁判所での和解・調停・判決などにより認定されること。

4. 給付金の金額

給付金の金額は、訴訟手続きの中で認定された症状に応じて決められています。
また、弁護士を通じて訴訟した場合には、弁護士費用の補助として給付金の5%相当額が合わせて支給されます。

症状給付金額
慢性C型肝炎の進行による肝硬変・肝がん・死亡4000万円
慢性C型肝炎2000万円
無症候性キャリア(上記以外)1200万円

 ※無症候性キャリアとは、C型肝炎ウイルスに感染していても症状が出ていない状態です。

5. 給付金の請求手続き

C型肝炎給付金の支給を受けるためには、まず国に対して訴訟を起こす必要があります。訴訟手続きの中で、給付金対象の条件に当てはまるかどうかやどういった症状が出ているかを確認されます。条件を満たすことが確認できると、訴訟を通じて国と和解することになります。
和解が成立したら、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して和解調書を提出して給付金を請求すると、認定された症状に応じた給付金が支給されます。

6. 請求の期限

C型肝炎給付金の手続きには期限があり、2023年1月16日までに訴訟を起こす必要があります。
これは、C型肝炎給付金について定めた法律が、期限つきの法律になっているためです。

7. 追加給付金

C型肝炎給付金を受け取った後、さらに症状が悪化したときは、進行した症状に当てはまる給付金額と既に受け取った金額との差額を追加給付金として請求することができます。

追加給付金の請求期限は、給付金を受け取ったときから20年以内です。さらに、症状が進行したことを知ったときから3年以内に請求しなければなりません。

追加給付金を請求するときは、もう一度訴訟を起こす必要はなく、進行した症状を示す医師の診断書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出して請求するのみで大丈夫です。

8. まとめ

C型肝炎給付金の手続きは、法律と医療それぞれの知識が必要になります。また、証拠となる資料が残っていないこともあり、簡単には進まないことが多いでしょう。必要に応じて、C型肝炎訴訟を取り扱う弁護士に相談することをお勧めします。

ただ、C型肝炎訴訟はB型肝炎訴訟よりも対応できる弁護士が少ないため、弁護士探しにも苦労するかもしれません。
弁護士探しがうまくいかないときは、最寄りの弁護士会や法テラスに問い合わせるという方法もあります。

また、給付金の対象以外でも、ウイルスが発見される前に受けた輸血などで感染している可能性はあります。ウイルス性肝炎は早期発見・早期治療が重要ですが、自覚症状が出にくいため、気づいたときにはかなり進行していたといったこともあります。B型肝炎・C型肝炎の双方について、必ず一度は検査を受けてください。

万一、B型肝炎の感染が判明した場合は、B型肝炎給付金の制度もあります。条件や金額は違いますが、こちらも似た制度となっています。

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