赤ちゃんがB型肝炎ワクチン予防接種は受けても大丈夫?

赤ちゃんの予防接種の中に、B型肝炎ワクチンがあります。2016年10月1日から定期接種になり、費用の自己負担無しで接種を受けることができます。

このB型肝炎予防接種について、B型肝炎訴訟の原因となった集団予防接種と何か関係があるのではないかと気になっている人もいるかもしれません。しかし、訴訟になったのは集団予防接種の際の注射器の取扱いの問題であって、B型肝炎ワクチンの予防接種というわけではありません。現在の予防接種で同様の問題は起こらなくなっているので、心配はいりません。

赤ちゃんのB型肝炎ワクチン予防接種

1. 赤ちゃんのB型肝炎ワクチン予防接種

赤ちゃんの予防接種には、定期接種と任意接種の2種類があります。

定期接種とは、予防接種法という法律によって一定の年齢のときに受けることを推奨されているワクチンです。接種費用は行政が負担するので、原則無料で受けることができます。
任意接種とは、希望する人が自分で病院へ行って受ける予防接種です。費用は原則として自己負担ですが、自治体によっては助成金が出ることもあります。住んでいる地域の自治体に確認してみましょう。

B型肝炎ワクチンは以前は任意接種のワクチンでしたが、2016年10月1日から定期接種に指定され、1歳未満であれば無料で受けられるようになっています。
ただ、B型肝炎ワクチンは間隔をあけて3回の予防接種が必要になるため、1歳の誕生日がくる前に3回目の予防接種を終えられるようスケジュールの調整が必要です。生後2ヶ月から9ヶ月の間で3回分受けることが推奨されています。

標準的な定期接種のスケジュールは以下のようになっています。

  1. 生後2ヶ月で1回目の予防接種
  2. 1回目から27日以上の間隔をあけ、生後3ヶ月頃に2回目の予防接種
  3. 1回目から139日以上の間隔をあけ、生後7ヶ月から8か月頃に3回目の予防接種

事情があって最初の予防接種が遅れた場合、他の予防接種で生ワクチンのものを接種する時期とB型肝炎ワクチン接種の時期が近いときは、B型肝炎ワクチンを先に受けた方がスケジュールがうまくいくことが多いです。BCGなどの生ワクチンは接種後に他の予防接種を受けられない期間が長いのですが、B型肝炎ワクチンは不活化ワクチンなので接種後に次の予防接種を受けられるまでの期間が短いためです。

赤ちゃんの体調やB型肝炎以外の予防接種のこともあるので、推奨スケジュールを参考にしながら、かかりつけの医師と相談してスケジュールを決めましょう。

2. 赤ちゃん以外のB型肝炎ワクチン予防接種

B型肝炎ワクチンは、1歳未満のうちに3回目の予防接種を終えられない人や、定期接種になる前に生まれた人にとっても受けておくメリットの大きいものと言えます。

乳幼児以外でも間隔をあけて3回の接種が必要で、年齢が若いほど免疫ができる確率も高く、抗体もよく上がるそうです。獲得した抗体は、個人差もありますが20年以上は続くと考えられています。

その反面、免疫がない状態でB型肝炎ウイルスに感染したときのリスクは乳幼児期が一番高リスクになります。成人してから感染した場合、通常は一過性の感染になりますが、乳幼児期に感染すると持続感染と言って、生涯にわたって体内にB型肝炎ウイルスが残ることになります。家族にB型肝炎ウイルスキャリアの人がいなくても、保育園などで感染する可能性もあります。B型肝炎ワクチンが定期接種化されたのも、そういった事情からです。

3. B型肝炎ワクチンの詳細

B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスに対する抗体を作ってB型肝炎に感染しないようにするためのワクチンです。B型肝炎は肝がんに進行することもあるので、B型肝炎ワクチンは世界で初めてのがん予防ワクチンでもあります。

日本で承認されているB型肝炎ワクチンは、酵母由来の組換え沈降B型肝炎ワクチンと言って、遺伝子組換えの技術を使って作られた不活化ワクチンです。不活化ワクチンとは、ウィルスの毒性を完全に排除したワクチンのことを言います。そのため、不活化ワクチンを摂取しても、ウィルスに感染することは絶対にありません。
B型肝炎ワクチンは具体的には、B型肝炎ウイルスから、HBs抗原というウイルスの外殻のタンパク質を作るDNAだけを取り出して組み換えたものを、酵母菌細胞の中へ入れて複製し、そのHBs抗原タンパク質を精製して作ります。B型肝炎ウイルスそのものを身体に入れるわけではないので安全性が高くなっています。

国内で発売されているワクチン製剤としては、一般財団法人化学及血清療法研究所が製造している「ビームゲン」と、MSD株式会社が製造している「ヘプタバックス-Ⅱ」の2種類があります。この2つは製造に使っているB型肝炎ウイルスの遺伝子型が異なりますが、どちらのワクチンを接種しても他方の遺伝子型のB型肝炎ウイルスにも予防効果があることが確認されています。要するにワクチン製剤が違っても効果に違いはありません。

乳幼児の予防接種だけでなく、大人が接種するB型肝炎ワクチンも同じワクチン製剤です。B型肝炎キャリアの母親が出産するときの母子感染防止措置にも使われています。

B型肝炎ワクチンを接種したときの副反応としては、ワクチン接種の一般的な副反応以外にB型肝炎ワクチンに固有の副反応は報告されていません。

4. B型肝炎訴訟との関係

B型肝炎訴訟やB型肝炎給付金についてご存じの方は、訴訟の争点となっている集団予防接種によるB型肝炎ウイルス感染というのが、赤ちゃんへのB型肝炎予防接種と関係ないのか心配に思われるかもしれません。
しかし、B型肝炎訴訟とB型肝炎予防接種は全く関係ないことですので心配する必要はありません。

集団予防接種によるB型肝炎ウイルス感染というのは、過去の集団予防接種で注射器の使い回しがされたことによってB型肝炎ウィルスに感染してしまったことを言います。何の予防接種だったかは関係なく、一緒に予防接種を受けた他の人からB型肝炎ウィルスが感染してしまったのです。
現在では注射器の針は使い捨てとなっており、使い回しということは考えられません。また、赤ちゃんの予防接種は集団予防接種ではなく個別に小児科等で受けるのが一般的ですので、その点でも状況は全く異なります。

5. 現在の予防接種の安全性

B型肝炎訴訟とB型肝炎ワクチンは無関係ですが、それでは「B型肝炎ワクチンの予防接種は絶対に安全なのか知りたい」と思う人もいらっしゃるでしょう。

「安全です」と言いたいところですが、予防接種に限らず全ての医療について絶対に安全ということは言い切れません。予防接種についても、重篤な副反応が出る可能性が全くないわけではありません。
ただ、予防接種を受けずに病気にかかって苦しんだり、死亡したりするリスクもまた確実に存在します。予防接種を受けて副反応が出るリスクと予防接種を受けずに病気にかかるリスクを比べて、リスクの低い方を選択するということになると思います。そして、少なくとも定期接種については、予防接種を受けた方がリスクが低いと国が判断したものと言えるでしょう。

現在は予防接種は強制ではなく、親が子供の健康を考えて判断するものとなっています。絶対確実な選択肢はありませんが、大切な子供の健康のためによりよい選択は何かを考えることが大切だと思います。

6. まとめ

赤ちゃんのB型肝炎予防接種について解説しました。

定期接種になってからは、ほとんどの人が赤ちゃんにB型肝炎予防接種を受けさせていると思います。この機会に、赤ちゃんだけでなく、定期接種化前でB型肝炎予防接種を受けていなかったお兄ちゃんお姉ちゃんや、お父さんなど他のご家族についてもB型肝炎予防接種や検査を検討してみてください。

特にお父さんについて、年代によってはB型肝炎給付金の原因となった集団予防接種を受けている可能性もあります。B型肝炎の血液検査を受けたことがなければ、早めに一度検査してみることをお勧めします。

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